ニオイについて
( ニオイの感覚はとても不明瞭 )
刺激強度と感覚量の間に
ウェーバー・フェヒナーの法則が成り立つといわれています。
これは、“強度のニオイをかいでいると、時間がたつにつれてその臭素に慣れていき、そのうち感覚がなくなる”という人間の嗅覚性質です。また、この嗅覚感覚は「対数」となっています。たとえば、人間が悪臭の強さ10とした生活環境で暮らしていた時に、20のニオイをかいだときには、10のニオイの倍に差があると感じとります。これは普通のことですが、ニオイの濃度が100とした生活環境下で暮らした時に、200のニオイをかいだ時に感じる倍の差であっても、10と20の倍の差と同じように感じるのが人間の性質なのです。
つまり、空気中の悪臭物質の実際の濃度と、においとして感じる強さ比例関係にないということになります。従って、空気中の悪臭物質の濃度を半分(50%)に減らしてもにおいの強さは20%減程度、悪臭物質濃度を97%減少させてやっと最初の臭気の1/3になるということです。
( ニオイの消臭方法について )
1.マスキング法(芳香剤など)
強い香りで悪臭を覆い込んでカモフラージュする方法です。
このマスキングの原理は強いニオイが悪臭をおおいかくすという単純なものではなく、芳香とされる成分中には悪臭成分もその構成成分として入っている場合があるということです。たとえば芳香の代表であるジャスミンの香りを分析すると、代表的悪臭であるインドールが数%含有されている場合があります。つまりマスキング手法は悪臭を利用して、芳香させることで上手にカモフラージュする方法となります。従って、悪臭の根源である成分は消えてはいません。
2.吸着法(活性炭・ゼオライトなど)
吸着法の原理は固体表面への臭素の吸着です。従って、吸着させる個体の表面積が大きければ大きいほど消臭効果が続きます。そして、気体分子が表面を覆いつくしてしまうと効果がなくなります。悪臭の根源である成分は消えているわけではなく、個体にくっついている状態です。
3.酸化法(オゾン、界面活性剤、光触媒、二酸化塩素など)
物理化学的な手法を用いる方法です。消臭成分が悪臭成分と反応して化学的に分解します。
悪臭は消滅します。ミラクスはこの方法を活用しています。